2007年8月
2007年8月 8日 (水)
2007年8月 7日 (火)
宣伝
友人と非鉄金属のブログを立ち上げました。非鉄金属関連の相場や技術情報等を更新していこうかと思っています。
今のところは書き手が少ないので不定期の更新ですが...(共同執筆者募集中?)。
アドレスは、 http://d.hatena.ne.jp/hitetsu/ です。
とろ~り
(経済関連ニュース)
・6月英製造業生産指数 前月比+0.2%、市場予想+0.2%。
・6月独製造業受注 前月比+4.6%(前月+3.0%)、市場予想▲0.6%。
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油▲2.5MB、ガソリン+0.8MB、ディスティレート+1.5MB、稼働率±0.0%
・Statoil Statfjord油田の生産が、メンテナンスの影響で生産減少(▲1KBD)。通常の生産量は295KBD(10カーゴ)であるが、8月は165KBD(6カーゴ)程度になる見込み。
(商品市況)
「下落」
昨日の商品価格は概ね下落した。昨日は米株が上昇したものの、先行きの不透明感が払拭されているわけでもないため、低流動性資産からの資金の一時的な退避の動きが加速したためと考えられる。引き続き、経済指標、中央銀行幹部の発言(特に米国)には注目する必要があろう。尚、本日予定されているFOMCでは利上げは見送りとなる可能性が高い。株安を引き金として日銀が利上げに踏み切れない可能性が高まってきた事も、円キャリートレードの復活を意味するため、注目している。
先週の商品別騰落では、最もパフォーマンスが良かったのがソフト、ついで貴金属、新興国株であった。最もパフォーマンスが悪かったのがエネルギーであった。商品別では鉛、上海A株、錫、パフォーマンスが悪かったのがTOCMガソリンであった。また、先月末と先々月を比較した場合、セクター別で最もパフォーマンスが良かったのが新興国株、非鉄、ソフト、最も悪かったのが株式。商品別では、もっともパフォーマンスが良かったのが上海A株、LME鉛、錫。最もパフォーマンスが悪かったのがLMEニッケルであった。
(非鉄金属)
昨日の銅価格は上昇した。注目の米株価が上昇したことや、チャートの節目となる一目均衡表の雲に差し掛かっていた事もあり、小幅上昇して引けた。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは2.1日)、(キャンセルワラント率は7.8%)。売買高は5,460枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブの形状は期先を中心に小幅上昇。C-3は131㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、生産国のストライキ懸念、LME在庫水準の低さ、キャンセルワラント率の高止まり等の買い材料も多く総じて堅調な推移になると見ている。尚、中国国内景気の過熱感の沈静化を目的として中国が利上げを行ったが、中国の利上げのペースは実体経済に悪影響を及ぼさない程度のゆっくりとしたものであることから、利上げ効果が実際に顕現化するには時間がかかると考えている。但し足元は下値を探る動きのほうが優勢になると考えている。理由の1つ目は(もはや最大の材料となっているが)米国発の株安が投資マインドを冷え込ませ、相場の下げ材料となり得ることである。引き続きサブプライムローンを引き金とする信用収縮に歯止めがかかっていない状況であり、FRBもサブプライムローンを引き金とする景気の後退に慎重な姿勢をとらざるを得なくなっている状況だ。株価の変動はセンチメントの転換を通じて商品市場にインパクトをもたらすため当面、株式動向には細心の注意を払うべきである。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(6月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、この事は経済成長は持続し需要は増加してきているが、短期的に供給不足が解消されている可能性があることを示しているといえる)。3つ目は、中国当局が更なる利上げを示唆するコメントをしていること(中国の利上げは銅実需の減少を促す)。本日は昨日のNYで株が上昇しているものの、安定しない以上は下値をトライする動きとなると考えている。一目均衡表の雲の下限、7,400㌦を下値の目途に挙げておきたい。尚、9月オプションの建玉は7,800㌦コールが825枚、8,000㌦コールが989枚、8,200㌦コールが1,410枚、7,700㌦プットが450枚、7,500㌦プットが500枚、7,400㌦プットが530枚となっている。
昨日の亜鉛価格は下落した。各国株価が不安定な中、先週までの流れを受けて寄付きから下落していたが、米株価が大きく反発したことから買戻しが優勢となり、前日比小幅安で引けている。LME在庫は▲375Mt減少、FSCは2.1日(キャンセルワラント率は10.3%)。売買高は4,142枚。イールドカーブは略全ゾーン低下しているが期先の下げが大きい。C-3は41㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については引き続き不安定な株式市場動向が、投機筋のセンチメントの悪化を通じて相場を下押しすると見られ、一時的に下値を探る展開を予想している。しかしながらファンダメンタル的には、中期的には銅と同じく買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃に加え、6月1日から亜鉛の輸出関税の引き上げを実施したこと、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながら株価動向が非常に不安定であるため、このマイナス材料がファンダメンタルの強材料を凌駕すると見られることから暫くは下値を探る動きにならざるを得ない。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している(3,000㌦を切る水準までの下落の可能性は現時点では低いと考えている。下値の目途は3月21日にマークした3,119.75㌦)。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということか。目先の上値は6月4日にマークした直近高値の3,850㌦、下値の目途は50日移動平均線の3,600㌦を下回ってしまったことから、6月27日にマークしている3,290㌦が意識される事になろう。尚、価格の目途となりやすい9月オプションは3,800㌦コールが410枚、3,500㌦コールが510枚、3,400㌦コールが600枚、3,500㌦プットが1,225枚、3,400㌦プットが1,050枚、3,000㌦プットが840枚となっており、下落への警戒感が強いようだ。
昨日の鉛価格は大幅に下落した。米株価の反発はあったものの、流動性の低い商品からの資金撤退は継続している様子であり、LME在庫の減少はあったものの略一貫して水準を切り下げ、30日移動平均線のサポートラインでサポートされて引けた。LME在庫は▲225Mt減少、(FSCは1.5日)在庫水準の低さやキャンセルワラント率の高さ(キャンセルワラント率は12.8%)を背景に、ファンダメンタルは非常に強い。売買高は2,648枚。イールドカーブは全ゾーン大幅にパラレルに低下している。C-3は57㌦バックとバック幅を拡大した。 今後についてはファンダメンタルに大きな変化は無いことから基本しっかりの展開に変更はない。しかし、信用収縮の影響で投機筋の投資余力が低下すると見られることから上げ幅は限定されると見ておくべきであろう(更に同時に鉛は、銅やアルミと比較すると鉛は流動性の観点から投機資金の運用対象にはなりにくいため、株価の与える影響は限定的であると考えている)。ファンダメンタルは、中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が6月以降減少すると予想されること(6月統計では既に輸出減少が確認されている)、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないこと、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(6月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCはとうとう1.5日に)ことから、極めて強いと言ってよい。やはり価格は暫く高止まる可能性の方が高いといえる。但し、繰り返しになるが、株価が再び不安定になってきた事や中国の利上げ観測等(中国の利上げは中国国内実需のマイナス要因となり得る)のマイナス材料も徐々に出始めており、著しい高値を維持することが段々難しい環境になっている事も注意すべきであろう。イメージ一時期のニッケルの価格の行き過ぎが修正された局面と似ている。但しカーバッテリー向けに使用される鉛は代替品が存在しないため、さげはばは限定される事になるといってよかろう。本日は30日移動平均線のサポートラインを固める展開になろう。
昨日のアルミ価格は上昇した。株価動向が不安定であるという前提に大きな変化はなかったが、NYで株が戻している事とここ数日間の下げ幅が大きかったことから小幅上昇して引ける事となった。このコラムで指摘し続けているように、投機資金の「思惑」でもっとも振れ易い非鉄であるが、株や債券に比して流動性が低いため手仕舞い売りの圧力がかかっているとといえる。LME在庫は▲900Mt減少、(FSCは8.4日)しているが、需給は他非鉄金属と比べてタイトとは言えない。(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は16,664枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が大幅に低下している。C-3は62㌦コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。 今後については、アルミは銅と同様投機筋の投資対象となり易い非鉄金属であることから、株価動向に左右される展開が続く事になると考えているが、明らかに株価動向が不透明なため、下値を探る動きにならざるを得ないと考える。ファンダメンタル的にも、比較的ベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として利上げを検討していることである。銅と並んでアルミは政策金利引き上げの影響を受け易い非鉄(インフラ整備の初期段階で使われる非鉄金属であるため)であることから、利上げは即効性はないが徐々に上値を重くする効果が予想される。2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは他メタル比で低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が欧州・中国で低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる。。このコラムで指摘し続けているが、アルミのコンタンゴの期間がさらに長くなっていることは意識しておくべきである。また、生産回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事は要注意であろう。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブをコンタンゴ化させる可能性がある。
本日も株動向次第であるが、月次チャートを見るに今年6月にやや潮目が変わった可能性がある。一目均衡表の雲を下抜けしていることもあり、昨年1月以来維持してきた2,500㌦ラインをトライする可能性は十分にあると見ている(個人的にはその水準まで下落したときのイールドカーブの形状がどのようになっているがが一番の関心事であるが)。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、2,900㌦コールが、1,183枚、2,800㌦コールが2,497枚、2,750ドルコールが3,135枚、2,750㌦プットが975枚、2,700㌦プットが1,300枚、2,650㌦プットが4,450枚となっている。
昨日のニッケル価格は上昇した。LME在庫が増加したものの、株価の反発やここ数ヶ月の下げ幅が大きかったことから買戻しが優勢となった。引き続き30,000㌦を挟む展開となっている。LME在庫は+810Mt増加、(FSCは4.0日)、キャンセルワラント率は一時期の異常な高い水準から脱却、夏場の不需要期の前に在庫水準が危機的な状態から脱したと言ってよい(キャンセルワラント率は3.6%)。売買高は622枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下しツイストしながらスティープニング。C-3は5㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については、米国株式市場の不安定さが増している事や、中国のGDPを受けた中国当局の利上げ観測、LME在庫の増加ペースに鈍化が見られないことから再び下値を探る動きになると考えている。ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも4日を回復しており危機的状態は脱したといってよい。一時期の相場の主役から転落した感がある。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。一方で、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩も強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中期的には価格は回復するものと見ておいたほうが良かろう。
小職は30,000㌦を挟んでのもみ合いを想定していたが、予想以上に株価と米経済状況が不安定な状態であり、30,000㌦を割り込む展開となってしまった事から、以前指摘した30,000㌦を下回った場合の下値の目途、昨年11月15日にマークした28,650ドルをトライする動きになると予想する。
昨日の錫価格は上昇した。特段新規材料はなかったが、16,000㌦を下値として激しくもみ合った結果、前日比プラスで引ける事となった。結局サポートされている10日移動平均線を維持している事から堅調な推移が続いている。LME在庫は▲10Mt減少、(FSCは13.7日)、キャンセルワラント率は1.7%。売買高は193枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は65㌦コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。 今後については、錫はテクニカルに調整があったものの、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、やインドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から思惑的な買いを誘いやすく、再び上昇すると見ている。また、LME指定倉庫在庫の40~50%を1人のプレイヤーが保有している事も指摘されており、思惑的な買いを誘い易い環境にあることも上げ要因となろう。但し、他非鉄金属と同様、米国株式の調整に伴うセンチメントの悪化、中国当局の連続利上げが実際に行われた場合の実需減速の可能性には注意しておきたい。
(エネルギー)
昨日のNY原油は大幅に下落した。昨日予想したとおり価格は下落することとなったが、これは依然として株式市場動向が不安定な中、低流動性資産からの一時的な資金退避が起きているためと考えられる。WTIは取引序盤から水準を切り下げる展開となり、50日移動平均線のサポートラインをトライする動きとなった。イールドカーブは全ゾーン低下。Brentも同様に下落し、一目均衡表の雲の上限近辺まで値を下げている。イールドカーブは期近が低下し、フラットニング。WTIとBrentのスプレッドであるが、期近はBrentがコンタンゴになっている事もあってWTIが高く、若干期先はBrentが高く、期先はWTIが高い(しかもコンタンゴ)、といういびつな状態となっている。
石油製品も下落。RBOBはNY時間に入ってから原油と同様と見られる手仕舞い売りが殺到し、200㌣の心理的サポートラインを割り込んだ辺りから下げ速度が加速、前日比▲10㌣超の下落となった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ヒーティングオイルも同様に下落。こちらは50日移動平均線のサポートラインを下回ったところから下げが加速、一目均衡表の略雲の下限まで水準を大幅に切り下げた。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近を中心に全ゾーンが低下している。"
本日の原油相場も株価次第であるが、昨日の下げ幅が大きすぎたこともあり、一旦買戻しが優勢になると考えている。米国経済の先行不透明感が強まっている中、株価は調整色を強め、債券が物色されるといったリスクマネーのリスク資産からの退避の動きが活発化していることが昨日の大幅下落の最大の要因であるが、ファンダメンタルは大きく変わっていないため積極的に下値は狙いにくい。先週の米統計では製油所稼働率の大幅な改善が見られたが、石油製品在庫の水準は依然として低く、一方でOPECは9月会合まで増産をする見込みではない事から今度は原油の需給逼迫を材料として石油製品の需給がタイトな状況が続くと見られるためである。
ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少(上記ニュース参照)、OPECが増産について否定的な見解を示している事、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。
イールドカーブが全ゾーンバックになった事から投機資金が投資し易い環境にあるものの、依然として米国株式の動向が不安定であり、株や債券に比して流動性の低い商品市場はまず最初に手仕舞い売りが入り易い。投機資金が再び商品市場に還流するには株式市場の安定が必須であるため、暫くは投機筋の思惑で相場が上昇するのは難しいといえる(結局は新規材料がなければ非常にワイドなレンジでのもみ合いに)。
WTIはCushing在庫の減少を受けて全ゾーンバックが復活しており、ようやくWTIが「原油の需給の状態を考える」上で有効な指標になってきたといえる。以前から提唱していたWTI/Brentのネガティブスプレッドの解消は、期近のみ解消される事となった。しかしながら北海油田からの生産減少と、著しいユーロ高の影響もあって完全なネガティブスプレッドの解消にはもう少し時間がかかると考えている。
もう少し細かくファンダメンタルを見ると、短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年平均水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いているといえる。また、ここ暫く横這っていた原油のFSCは、昨日の著しい稼働率の改善によりとうとう過去5年の最高水準を下回るに至った。産油国からの生産が停滞している事もあり、このFSCの低下は当コラムで予想したとおりである。つまり稼働率が改善したといっても、ピークシーズン入りしている石油製品の需要を満たすだけの生産をしつつ在庫を積み増す事が難しい事を示唆している。尚、IEAの月報では需要見通しが増加し、Non-OPEC生産の増加量を上回っており、Q207の在庫積み増しもやはり十分に行われていないことが確認された(FSCも変わらず)。こうした在庫水準の低さは以前から指摘している通り有事へのバッファが少ないことを意味し、同時にアップサイドへのセンシティビティが高いことを意味する。ガソリンのFSCは21.1日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は22.0日)。ガソリン得率が限界的な水準まで上昇していることを鑑みればガソリンの供給は輸入に頼らざるを得ず、非常にボラタイルな展開が予想される。尚、供給は急に途絶したり再開したりするものであるが、需要は税制変更等の特殊な事情がなければ、急速に減少することはない。
供給サイドに関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、安泰ではない。OPECは9月総会まで増産の意向はなく、夏場のピークシーズンは冷夏とならない限り、供給が不足する状況が続く事となろう(日本は異常気象のため、夏入りが遅れている)。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
尚、価格の目途となりやすいWTIオプションの建玉状況は、80㌦コールが18,413枚、75㌦コールが24,607枚、70㌦コールが15,280、枚、75㌦プットが15,297枚、72㌦プットが8,400枚、70㌦プットが13,749枚となっている"
(ひとりごと)
カミさんと話をしていたら
「最近は、とろ~り、というフレーズを入れた商品が売れる」
と言っていた。
確かに、とろ~り、というフレーズが入った商品は多い。
特にプリンでは、とろ~り、というフレーズが入った商品ばかりである。
後は、たっぷり、という言葉も購買意欲をそそる、と思う。
毎度毎度、コメントさせてもらっているが、もっとコモディティデリバティブを活用するべきだと思うんですよね。
なので、これから販売するデリバティブ、商品名を変えたらどうでしょうか?
「たっぷり硫黄のとろ~り重油スワップ」
とか。
だめ?
2007年8月 6日 (月)
タレント来日
(経済関連ニュース)
・7月ユーロ圏サービス業景気指数確定 58.3(速報比+0.2)
・7月米非農業部門雇用者数 前月比+92千人(5月改定 +126千人(速報比▲6千人))、市場予想+127千人。失業率4.6%(前月4.5%)。
・7月米平均時給 前月比+0.3%の6㌣(前月+0.4%)、市場予想+0.3%。
・7月米非製造業景況指数 55.8(前月確定60.7)、市場予想59.0。
(非鉄金属関連ニュース)
・Southern Copperのストライキ継続。Cananea銅山、Taxco亜鉛山、San Martin亜鉛山は7月30日から停止の状態。
・XstrataとAnglo AmericanはCollahuasi銅山(440KMt/年)の生産量を2010年までに650KMt/年、2014年までに1,000KMt/年にする計画の検討を開始した。
(エネルギー関連ニュース)
・ExxonMobile Beaumont製油所(348.5KBD、テキサス、P3)、コーカーに接続されているガスコンプレッサーで障害発生。
・BPとShellが南アに保有するSaprefプラント(180KBD)、ストの可能性。
・Pertamina Balikpapan製油所(60KBD、カリマンタン)、機器の故障で来週稼動停止。
(商品市況)
「まちまち」
週末の商品価格はまちまちであった。米雇用統計が市場予想を大きく下回ったことから米国経済の先行き不透明感が高まり、リスク資産が一旦手仕舞い売りに動いたため、非鉄金属・エネルギーは下落することとなった。一方、ドル安の進行を受けて貴金属は上昇している。引き続き、経済指標、中央銀行幹部の発言(特に米国)には注目したい。また、APECでも話題となった過度な円キャリートレードの進行に対する懸念発言を受けて、各リスク市場に投資している資金に一旦手仕舞いの動きが見られる可能性があることは要注意であろう。
先週のCFTCのNon-Commercialポジションは、エネルギーは天然ガス以外がロングポジションを拡大。但し、これは先週末の大幅な株価の調整を織り込んだものではない。ということもあって、金・銅等は買い持ちポジションを大幅に縮小している。ソフトコモディティは個別材料でまちまちの展開であった。
(非鉄金属)
週末の銅価格は下落した。米雇用統計や米ISM指数が予想を下回る内容であったこと、LME在庫、上海在庫とも大幅な増加となっている事等が売り材料視された。結果、ここ数日試している30日移動平均線をあっさりと割り込み、50日移動平均線と一目均衡表の雲の上限が重なる7,630㌦をトライする動きとなった。LME在庫は+2,225Mt増加、(FSCは2.1日)、(キャンセルワラント率は8.0%)。売買高は8,365枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブの形状は期近を中心に低下。C-3は134㌦バックとバック幅を拡大した。 今後については、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、生産国のストライキ懸念、LME在庫水準の低さ、キャンセルワラント率の高止まり等の買い材料も多く総じて堅調な推移になると見ている。尚、中国国内景気の過熱感の沈静化を目的として中国が利上げを行ったが、中国の利上げのペースは実体経済に悪影響を及ぼさない程度のゆっくりとしたものであることから、利上げ効果が実際に顕現化するには時間がかかると考えている。但し足元は下値を探る動きのほうが優勢になると考えている。理由の1つ目は(もはや最大の材料となっているが)米国発の株安が投資マインドを冷え込ませ、相場の下げ材料となり得ることである。引き続きサブプライムローンを引き金とする信用収縮に歯止めがかかっていない状況であり、FRBもサブプライムローンを引き金とする景気の後退に慎重な姿勢をとらざるを得なくなっている状況だ。株価の変動はセンチメントの転換を通じて商品市場にインパクトをもたらすため当面、株式動向には細心の注意を払うべきである。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(6月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、この事は経済成長は持続し需要は増加してきているが、短期的に供給不足が解消されている可能性があることを示しているといえる)。3つ目は、中国当局が更なる利上げを示唆するコメントをしていること(中国の利上げは銅実需の減少を促す)。本日は株が安定しない以上は下値をトライする動きとなろう。一目均衡表の雲の下限、7,400㌦を下値の目途に挙げておきたい。尚、9月オプションの建玉は7,800㌦コールが825枚、8,000㌦コールが589枚、8,200㌦コールが910枚、7,700㌦プットが450枚、7,500㌦プットが500枚、7,400㌦プットが530枚となっている。
週末の亜鉛価格は下落した。LME在庫の減少はあったが、米統計の悪化を受けたリスクマネーのリスク許容度の低下から銅価格が下落したことなどを受け、そもそも30日移動平均線のサポートラインを割り込んで寄り付いた事もあり、水準を大幅に切り下げた。LME在庫は▲225Mt減少、FSCは2.1日(キャンセルワラント率は9.4%)。売買高は4,966枚。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに低下。C-3は47㌦バックとバック幅を拡大した。 今後については基本的には銅と同様、堅調な推移を見込んでいたが、株式市場が不安定な状況が継続しており、投機筋のセンチメントの悪化が相場を下押しすると見られ、一時的に下値を探る展開にならざるを得ないと見ている。ファンダメンタル的には、中期的には銅と同じく買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃に加え、6月1日から亜鉛の輸出関税の引き上げを決定していること、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながら株価動向が非常に不安定であるため、このマイナス材料がファンダメンタルの強材料を凌駕すると見られることから暫くは下値を探る動きにならざるを得ないであろう。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している(3,000㌦を切る水準までの下落の可能性は現時点では低いと考えている。下値の目途は3月21日にマークした3,119.75㌦)。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということか。目先の上値は6月4日にマークした直近高値の3,850㌦、下値の目途は50日移動平均線の3,600㌦を下回ってしまったことから、6月27日にマークしている3,290㌦が意識される事になろう。尚、価格の目途となりやすい9月オプションは3,800㌦コールが410枚、3,500㌦コールが510枚、3,400㌦コールが600枚、3,500㌦プットが1,225枚、3,400㌦プットが1,050枚、3,000㌦プットが840枚となっている。
週末の鉛価格は上昇した。木曜日の価格上昇で10日移動平均線のレジスタンスラインを上抜けしたことから、LME在庫の減少もあり上昇した。NY時間の経済統計の悪化を受けて調整する局面はあったものの、本当にファンダメンタルが強く、結局前日比大幅なプラスで引ける事となった。LME在庫は▲1,200Mt減少、(FSCは1.5日)在庫水準の低さや生産者動向を鑑みれば引き続きファンダメンタルは非常に強い(キャンセルワラント率は11.9%)。売買高は1,626枚。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルスティープニング。C-3は46㌦バックとバック幅を拡大した。 今後についてはファンダメンタルに大きな変化は無いことから基本しっかりの展開に変更はない。しかし、信用収縮の影響で投機筋の投資余力が低下すると見られることから上げ幅は限定されると見ておくべきであろう(更に同時に鉛は、銅やアルミと比較すると鉛は流動性の観点から投機資金の運用対象にはなりにくいため、株価の与える影響は限定的であると考えている)。ファンダメンタルは、中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が6月以降減少すると予想されること(6月統計では既に輸出減少が確認されている)、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないこと、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(6月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCは2日に満たない)ことから、極めて強いと言ってよい。やはり価格は暫く高止まる可能性の方が高いといえる。但し、繰り返しになるが、株価が再び不安定になってきた事や中国の利上げ観測等(中国の利上げは中国国内実需のマイナス要因となり得る)のマイナス材料も徐々に出始めており、著しい高値を維持することが段々難しい環境になっている事も注意すべきであろる(今のところ鉛に関してはよほど大きな株下落で無い限り大きな影響は無い)。本日は10日移動平均線のサポートラインを固める展開になろう。
週末のアルミ価格は下落した。上海LME在庫の増加とLME在庫の減少を受けてもみ合っていたが、米雇用統計とISM景況感指数の悪化を受けた米株式の大幅調整を受けて、大幅に水準を切り下げる展開となった。この下落により、暫くはもみ合うだろうと予想していた一目均衡表の雲をあっさりと下抜けしてしまった。このコラムで指摘し続けているように、投機資金の「思惑」でもっとも振れ易い非鉄であるといえる。但し、週末のアルミ相場で最も注目すべきは3Mの下落よりも期先の上昇であろう。LME在庫は▲1,075Mt減少、(FSCは0.4日)しており、需給は他非鉄金属と比べてタイトとは言えない。(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は20,610枚。イールドカーブは期近が低下、期先が上昇してツイストする形でフラットニングしている。C-3は61㌦コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。 今後については、アルミは銅と同様投機筋の投資対象となり易い非鉄金属であることから、株価動向に左右される展開が続く事になると考えているが、明らかに株価動向が不透明なため、下値を探る動きにならざるを得ないと考える。ファンダメンタル的にも、比較的ベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として利上げを検討していることである。銅と並んでアルミは政策金利引き上げの影響を受け易い非鉄(インフラ整備の初期段階で使われる非鉄金属であるため)であることから、利上げは即効性はないが徐々に上値を重くする効果が予想される。2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは他メタル比で低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が欧州・中国で低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる。。このコラムで指摘し続けているが、アルミのコンタンゴの期間がさらに長くなっていることは意識しておくべきである。また、生産回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事は要注意であろう。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブをコンタンゴ化させる可能性があるが、先週末は奇しくもこういった動きが見られたようだ。
本日も株動向次第であるが、一目均衡表の雲を完全に下抜けしてしまったので1月8日にマークした2,550㌦をトライする可能性は十分にあると見ている(個人的にはその水準まで下落したときのイールドカーブの形状がどのようになっているがが一番の関心事であるが)。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、2,900㌦コールが、1,183枚、2,800㌦コールが2,497枚、2,750ドルコールが3,135枚、2,750㌦プットが975枚、2,700㌦プットが1,300枚、2,650㌦プットが1,750枚となっている。"
週末のニッケル価格は下落した。LME在庫が増加した事や株価の下落等が嫌気され、30,000㌦を回復することなく引けた。LME在庫は+330Mt増加、(FSCは3.8日)、キャンセルワラント率は一時期の異常な高い水準から脱却、夏場の不需要期の前に在庫水準が危機的な状態から脱したと言ってよい(キャンセルワラント率は4.5%)。売買高は806枚。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアフラットニング。C-3は40㌦バックと前日と変わらず。 今後については、米国株式市場の不安定さが増している事や、中国のGDPを受けた中国当局の利上げ観測、LME在庫の増加ペースに鈍化が見られないことから再び下値を探る動きになると考えている。ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも3日を回復しており危機的状態は脱したと見ておいたほうがよかろう。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。一方で、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩も強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中期的には価格は回復するものと見ておくべきである。
小職は30,000㌦を挟んでのもみ合いを想定していたが、予想以上に株価と米経済状況が不安定な状態であり、30,000㌦を割り込む展開となってしまった事から、以前指摘した30,000㌦を下回った場合の下値の目途、昨年11月15日にマークした28,650ドルをトライする動きになると予想する。"
週末の錫価格は上昇した。周辺材料ははっきり言って売りのみであったが、やや投機の対象となりつつある感は否めない。結局サポートされている10日移動平均線を維持している事から堅調な推移が続いている。LME在庫は+240Mt増加、(FSCは13.7日)、キャンセルワラント率は1.06%。売買高は388枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は60㌦コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、錫はテクニカルに調整があったものの、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、やインドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から思惑的な買いを誘いやすく、再び上昇すると見ている。また、LME指定倉庫在庫の40~50%を1人のプレイヤーが保有している事も指摘されており、思惑的な買いを誘い易い環境にあることも上げ要因となろう。但し、他非鉄金属と同様、米国株式の調整に伴うセンチメントの悪化、中国当局の連続利上げが実際に行われた場合の実需減速の可能性には注意しておきたい。
(エネルギー)
週末のNY原油は下落した。米雇用統計とISM指数が悪化した事を受けて、週末を控えた戻り売りが株式市場で発生した事から、センチメントの悪化を通じて原油価格を押し下げる事となった。この下落によりWTIは暫く維持していた10日移動平均線のサポートラインを割り込む事となった。週半ばの米在庫統計では稼働率の上昇を背景とする原油在庫の減少が観測されたが、今は株価動向が最大の関心事であるようである。イールドカーブは期近が低下、期先は変わらず。Brentも同様に下落し、50日移動平均線のサポートラインを割り込んで引ける事となった。材料はWTIと同様である。イールドカーブもWTIと同様、期近が下落。WTIとBrentのスプレッドであるが、期近はWTIが高く、若干期先はBrentが高く、期先はWTIが高い、といういびつな状態が継続している。
石油製品も下落。米統計での稼働率改善、株価の調整が素直に材料視された。但し、RBOBは200㌣の心理的サポートラインは下抜けできずに引けている。これは株価の調整や製油所の稼働率改善はあるものの、在庫水準が著しく低い、という事実が背景にあるためと見られる。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ヒーティングオイルも同様に下落、50日移動平均線のサポートラインまで水準を切り下げた。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近を中心に全ゾーンが低下している。"
本日の原油相場も株価次第であるが、一旦下値を探る動きになると考えている(但し下値は限定される)。米国経済の先行不透明感が強まっている中、株価は調整色を強め、債券が物色されるといったリスクマネーのリスク資産からの退避の動きが活発化していることが最大の要因であるが、ファンダメンタルは大きく変わっていないためだ。先週の米統計では製油所稼働率の大幅な改善が見られたが、石油製品在庫の水準は依然として低く、一方でOPECは9月会合まで増産をする見込みではない事から今度は原油の需給逼迫を材料として石油製品の需給がタイトな状況が続くと見られるためである。
ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少(パイプライン事故や製油所の障害も含む)、OPECが増産について否定的な見解を示している事、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。
イールドカーブが全ゾーンバックになった事から投機資金が投資し易い環境にあるものの、依然として米国株式の動向が不安定であり、センチメントの悪化を通じてエネルギー市場にマイナスのインパクトをもたらす可能性が高い状況にあることは常に念頭においておくべきである(結局は新規材料がなければワイドなレンジでのもみ合いにならざるを得ない)。
WTIはCushing在庫の減少を受けて全ゾーンバックが復活しており、ようやくWTIが「原油の需給の状態を考える」上で有効な指標になってきたといえる。以前から提唱していたWTI/Brentのネガティブスプレッドの解消は、期近のみ解消される事となった(この事は上述しているように、イールドカーブの形状の変化の影響もあって原油市場に投機資金が流入しやすい環境になっていることと無縁ではない)。しかしながら北海油田からの生産減少と、著しいユーロ高の影響もあって完全なネガティブスプレッドの解消にはもう少し時間がかかると考えている。
もう少し細かくファンダメンタルズを見ると、短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年平均水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いているといえる。また、ここ暫く横這っていた原油のFSCは、昨日の著しい稼働率の改善によりとうとう過去5年の最高水準を下回るに至った。産油国からの生産が停滞している事もあり、このFSCの低下は当コラムで予想したとおりである。つまり稼働率が改善したといっても、ピークシーズン入りしている石油製品の需要を満たすだけの生産をしつつ在庫を積み増す事が難しい事を示唆している。尚、IEAの月報では需要見通しが増加し、Non-OPEC生産の増加量を上回っており、Q207の在庫積み増しもやはり十分に行われていないことが確認された(FSCも変わらず)。こうした在庫水準の低さは以前から指摘している通り有事へのバッファが少ないことを意味し、同時にアップサイドへのセンシティビティが高いことを意味する。ガソリンのFSCは21.1日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は22.0日)。尚、供給は急に途絶したり再開したりするものであるが、需要は税制変更等の特殊な事情がなければ、急速に減少することはない。
供給サイドに関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、決して安泰とはいえない。OPECは9月総会まで増産の意向はなく、夏場のピークシーズンは冷夏とならない限り、供給が不足する状況が続く事となろう(日本は異常気象のため、夏入りが遅れている)。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
尚、価格の目途となりやすいWTIオプションの建玉状況は、80㌦コールが18,413枚、75㌦コールが24,607枚、70㌦コールが15,280、枚、75㌦プットが15,297枚、72㌦プットが8,400枚、70㌦プットが13,749枚となっている。
(ひとりごと)
八ヶ岳に旅行に行った。
この辺って、会社をリタイアしてお店を開いている人が沢山いるんですよね。
なので、山なんだけどお店が沢山ある。
その中で、結構イケている広告をしているお店を発見した。
喫茶店であるが、外に張り紙がしてある。
「本日割り引き」
とか
「モーニングセット350円」
とか
では無い。
なんと書いてあるかというと、
「タレント来日」
である。
タレント来日!?
タレントって言うのもあいまいですよね。
日本でタレントっていったら、俳優でも歌手でも芸人でも司会者でもなく、とにかくテレビに出ている人のことである。
しかし、「来日」と言っている以上、日本人では無い。
アメリカか、ヨーロッパ、台湾や韓国の人かも知れない。
しかも、タレント。
歌手とか俳優じゃ無いんですよ。
お店に行っても、何をやってくれるかさっぱり分からないわけですよ。
パリス・ヒルトンとか来たりして。
来たとしてもちっとも見たくもないけど。
加えて、いつ来日するのかも書いていない。
成田から遠く離れた喫茶店に来るぐらいだから、相当マイナーな人なのだろう。
名前さえかかれていない。
この店はカミさんが発見した。
さすがカミさん。よくやった。
2007年8月 3日 (金)
アンデルセン物語
(経済関連ニュース)
・英中銀、政策金利を5.75%で据え置き。
・ECB,政策金利を4%で据え置き。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比+4千人の307千人、市場予想310千人。
・6月米製造業受注 前月比+0.6%(除く輸送機器▲0.5%、前月改定▲0.5%(速報比変わらず))、市場予想+1.0%。
(非鉄金属関連ニュース)
・Tech ComincoはカナダのAur Resourcesの買収の認可取得。
・Southern Copperのストライキ継続。翌週にはメキシコ政府が違法ストライキであることから労働者に職場復帰を命じる可能性。
・Southern Copperのペルーのストライキ(Toquepala鉱山、Cuajone鉱山、Ilo精錬所)、労使はストライキ回避に向けて議論の見込み。
(エネルギー関連ニュース)
・Total Gonfreville製油所(326KBD、フランス)、メンテナンスのため生産を一部カット。
(商品市況)
「まちまち」
昨日の商品価格はまちまちであった。行き過ぎた株価下落が修正される形で上昇する中、買戻しが優勢となる商品がある一方、ニッケル等の価格が上昇しすぎていた商品には手仕舞い売りが続いた(ファンダメンタルが強くないのに、株が不安定な以上買いを入れる必要性がないため)。引き続き株価動向に振らされる展開が続こう。
(ひとりごと)
諸般の都合により、一部しか更新してません。
ええ。夏ですからサボってますが、何か?
さて。
この前夜中のテレビを見ていたら、「悲しい歌」を探そうといった内容の番組をやっていた。
そしたらですね、強烈に私の印象に残るのがありました。
「一人ぼっちのボク」
という「漫画アンデルセン物語」の挿入歌なんですが、歌詞が相当きてます。
あまりに歌詞が凄かったので、ごく一部だけ紹介すると以下のようなものであった。
おうちはないし
お金もないし
友達もいないし
あるのはお父さんのお墓だけ
。 ゜・(ノД`)・゜・...悲しすぎます。。
こんな歌、子供の見る番組で流して良いんでしょうか?
テレビではこの歌を歌った歌手のコメントを紹介してましたが
「あの歌は、あれっきり二度と歌っていない」
らしいす。
歌詞全部に興味がある方は、ネットで検索してみてください。多分出てくると思う(探してないけど)。
2007年8月 2日 (木)
パンツの日
(経済関連ニュース)
・7月ユーロ圏製造業景気指数確定値 54.9(速報比+0.1)、
・米MBA住宅ローン申請指数 ▲0.3%の609、購入指数▲1.8%の416.6、借換指数+1.8%の1,724.1。
・7月米ISM製造業景況指数 53.8(前月56.0)、市場予想55.0。新規受注57.5(前月60.3)、生産指数55.6(前月62.9)。
・6月米中古住宅成約指数 前月比+5%(前月改定▲3.7%(速報比▲0.2%))、市場予想▲0.5%。
・朝青龍、2場所連続出場停止処分に。
・阿久悠、がんのため死去。
(非鉄金属関連ニュース)
・CodelcoのEl Salvador鉱山は近々フル操業になる見込み。ストの終了で。
・Southern Copperのストライキは3日目に突入。労使交渉の予定なし。
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲6.5MB、ガソリン+0.6MB、ディスティレート+2.9MB、稼働率+2.0%
・Total Port Arthur製油所(240KBD、テキサス、P3)、脱硫装置の一部を停止。
・Valero Corpus Christi製油所(340KBD、テキサス、P3)、メンテナンスで18時間稼動停止。
・Sasol、南アの6つの製油所でのストライキは生産に影響を与えず。
(商品市況)
「下落」
昨日の商品価格は軒並み低下した。株安を背景とする信用収縮に歯止めがかかっていない事が材料視されている。しかしながら株も含めであるが、経済のファンダメンタルを大きく変えるまでの信用収縮は未だ発生しておらず、下値ではそれなりに買いが入っているのも事実であり、当面はワイドなレンジでのもみ合いが継続する事になるのではなかろうか。
(非鉄金属)
昨日の銅価格は下落した。LME在庫の増加や株式市場が軟調であった事、Codelcoのストが終了近々フル操業となる見込みである事が材料視された。結果、ここ数日試している30日移動平均線をトライする動きとなったが、米株価が反発したこともありここの水準は割り込まずに引けている。LME在庫は+1,725Mt増加、(FSCは2.1日)、(キャンセルワラント率は8.9%)。売買高は8,830枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブの形状はパラレルに低下。C-3は130㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、生産国のストライキ懸念、LME在庫水準の低さ、キャンセルワラント率の高止まり等の買い材料も多く総じて堅調な推移になると見ている。尚、中国国内景気の過熱感の沈静化を目的として中国が利上げを行ったが、中国の利上げのペースは実体経済に悪影響を及ぼさない程度のゆっくりとしたものであることから、利上げ効果が実際に顕現化するには時間がかかると考えている。但し足元は下値を探る動きのほうが優勢になると考えている。理由の1つ目は中国当局が更なる利上げを示唆するコメントをしていること(中国の利上げは銅実需の減少を促す)。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(6月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、この事は経済成長は持続し需要は増加してきているが、短期的に供給不足が解消されている可能性があることを示しているといえる)。3つ目は、米国発の株安が投資マインドを冷え込ませ、相場の下げ材料となり得ることである。昨日の株価は上昇したものの、引き続きサブプライムローンを引き金とする信用収縮に歯止めがかかっていない状況だ。株価の変動はセンチメントの転換を通じて商品市場にインパクトをもたらすため当面、株式動向には細心の注意を払うべきである。本日も株価次第ではあるが、また30日移動平均線のサポートラインをトライする動きになろう。尚、8月オプションの建玉は7,800㌦コールが1,008枚、8,000㌦コールが1,184枚、8,200㌦コールが1,218枚、7,700㌦プットが1,102枚、7,300㌦プットが550枚、7,200㌦プットが900枚となっている。
昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫の増加や銅価格の下落が材料であった。但しFSCの水準の低さ等、銅と同じくファンダメンタルが決して弱くは無いため、下げ幅は限定され、米株価が上昇したことから引けに掛けて買戻しが優勢となった。但し50日移動平均線のレジスタンスは上抜け出来なかった。LME在庫は+350Mt増加、FSCは2.1日(キャンセルワラント率は9.2%)。売買高は3,020枚。イールドカーブは期近が小幅低下し、ベアフラットニング。C-3は39㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については基本的には銅と同様、堅調な推移を見込んでいるが、株安を受けたセンチメントの悪化が相場を下押しすると見られ、一時的に下値を探る展開になると考えている。中期的には銅と同じく買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃に加え、6月1日から亜鉛の輸出関税の引き上げを決定していること、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながら株価動向が非常に不安定であるため、一旦は下値を探り易い地合いになっているといえ、強弱材料が混在することから暫くはもみ合いになろうか。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している(3,000㌦を切る水準までの下落の可能性は現時点では低いと考えている。下値の目途は3月21日にマークした3,119.75㌦)。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということか。目先の上値は6月4日にマークした直近高値の3,850㌦、下値の目途は50日移動平均線の3,600㌦を下回ってしまったことから、6月27日にマークしている3,290㌦が意識される事になろう。尚、価格の目途となりやすい8月オプションは3,600㌦コールが505枚、3,500㌦コールが550枚、3,450㌦プットが600枚、3,300㌦プットが1,100枚となっている。
昨日の鉛価格は上昇した。一昨日指摘したとおり、ファンダメンタルの強さを背景として安値拾いの買いが継続した。LME在庫が再び減少していることもあり、取引序盤から小高く推移した。引き続き供給は不十分であり、主要消費国中国の消費にも大きな変化が見られないこと等ファンダメンタル的には状況は変わっておらず、当面堅調な推移が続く事になろう。LME在庫は▲525Mt減少、(FSCは1.6日)在庫水準の低さや生産者動向を鑑みれば引き続きファンダメンタルは非常に強い(キャンセルワラント率は10.5%)。売買高は1,571枚。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルスティープニング。C-3は11㌦バックとバック幅を拡大した。 今後についてはファンダメンタルに大きな変化は無いことから基本しっかりの展開に変更はないが、信用収縮の影響で投機筋の投資余力が低下すると見られることから一旦価格は調整すると考えている。但し、銅やアルミと比較すると鉛は流動性の観点から投機資金の運用対象にはなりにくいため、影響は限定的であると考えている。ファンダメンタルは、中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が6月以降減少すると予想されること(6月統計では既に輸出減少が確認されている)、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないこと、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(6月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCは2日に満たない)ことから、極めて強いと言ってよかろう。やはり価格は暫く高止まる可能性の方が高いといえる。但し、繰り返しになるが、株価が再び不安定になってきた事や中国の利上げ観測等(中国の利上げは中国国内実需のマイナス要因となり得る)のマイナス材料も徐々に出始めており、著しい高値を維持することが段々難しい環境になっている事も注意すべきであろる(今のところ鉛に関してはよほど大きな株下落で無い限り大きな影響は無い)。本日は10日移動平均線のレジスタンスラインをトライする展開になろう。
昨日のアルミ価格は下落した。LME在庫の減少と、エネルギー価格の下落が材料視されたが、プットプションの枚数がたまっている2,700㌦で一旦支えられ、株価の反発を受けて引けに掛けて水準を切り上げる動きとなったが、結局前日水準を上回らずに引けた。このコラムで指摘し続けているように、投機資金の「思惑」でもっとも振れ易い非鉄であるといえる。LME在庫は+400Mt増加、(FSCは0.4日)しており、需給は他非鉄金属と比べてタイトとは言えない。(キャンセルワラント率は2.8%)。売買高は8,250枚。イールドカーブは期近が低下、期先が上昇してツイストする形でフラットニング。C-3は61㌦コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。 今後については、アルミは銅と同様投機筋の投資対象となり易い非鉄金属であることから、株価動向に左右される展開が続く事になると考える。ファンダメンタル的には、比較的ベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として利上げを検討していること、2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは他メタル比で低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が欧州・中国で低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる。よって引き続き投機筋の思惑で、高値では利食い売りがしっかり入る展開が継続すると見られ、大幅な価格調整が起きているニッケルを除けば非鉄金属中、最もボラティリティの高い展開が予想される。また、銅と並んでアルミは政策金利引き上げの影響を受け易い非鉄(インフラ整備の初期段階で使われる非鉄金属であるため)金属であることから、利上げの効果が徐々に上値を重くするであろう。引き続き金融当局の金利引き上げには注目しておく必要があると見る(特に中国当局が更なる利上げを示唆する発言をしており、投機的な動きではなく本当に実需が減速する可能性があるため、実需動向では中国の、投機資金動向では米国の当局動向に注意したい)。このコラムで指摘し続けているが、アルミのコンタンゴの期間がさらに長くなっていることは意識しておくべきである。また、生産回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事は要注意であろう。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブをコンタンゴ化させる可能性があるため、注目したい。
本日も株動向次第であるが、一目均衡表の雲の中でのもみ合いになると考えている。価格の節目となりやすい8月オプションの状況は、2,900㌦コールが、1,809枚、2,800㌦コールが1,245枚、2,700㌦プットが1,425枚となっている。
昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫が増加した事や株価の回復等の強弱材料が混在する中、心理的節目である30,000㌦~10日移動平均線のレジスタンスライン内でのもみ合いとなった結果、前日比マイナスとなった。LME在庫は+432Mt増加、(FSCは3.6日)、キャンセルワラント率は一時期の異常な高い水準からやっと脱却、夏場の不需要期の前にようやく在庫水準が危機的な状態から脱したと言ってよかろう(キャンセルワラント率は3.6%)。売買高は1,014枚。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアフラットニング。C-3は45㌦バックとバック幅を拡大した。 今後については、米国株式市場の不安定さが増している事や、中国のGDPを受けた中国当局の利上げ観測、LME在庫の増加ペースに鈍化が見られないことから再び下値を探る動きになると考えている。ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも3日を回復しており危機的状態は脱したと見ておいたほうがよかろう。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。一方で、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩も強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中期的には価格は回復するものと見ておくべきである。
小職は30,000㌦を目先の下値の目途としてみていたため、この水準を割り込んで大幅に下落する展開はあまり想定しておらず、30,000㌦をはさんで暫くもみ合いになると考えている。もし、30,000㌦を下回った場合の下値の目途は昨年11月15日にマークした28,650ドルを挙げておきたい。
昨日の錫価格は下落した。特段材料があったわけではないが、ここ数日の上げ幅が大きかったことから一旦、調整の売りが入った。但し10日移動平均線のサポートラインではサポートされて引けている。LME在庫は+15Mt増加、(FSCは13.3日)、キャンセルワラント率は2.12%。売買高は418枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は50㌦コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。 今後については、錫はテクニカルに調整があったものの、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、やインドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から思惑的な買いを誘いやすく、再び上昇すると見ている。また、LME指定倉庫在庫の40~50%を1人のプレイヤーが保有している事も指摘されており、思惑的な買いを誘い易い環境にあることも上げ要因となろう。但し、他非鉄金属と同様、米国株式の調整に伴うセンチメントの悪化、中国当局の連続利上げが実際に行われた場合の実需減速の可能性には注意しておきたい。
(エネルギー)
昨日のNY原油は下落した。米在庫統計で市場予想を大きく上回る在庫減少となったが、以前から課題として挙げられていた稼働率の大幅な改善を受けて製品主導での価格高騰に一旦歯止めがかかるとの見方から水準を切り下げる動きとなった。但し、稼働率の上昇は原油にとっては上昇・下落、表裏一体の材料であり、結局のところ10日移動平均線のサポートラインは下抜けせずに引けている。イールドカーブは期近が低下、期先が上昇した。Brentも同様に下落し、30日移動平均線のサポートラインでサポートされて引けている。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇。尚、WTIとBrentのスプレッドであるが、期近はWTIが高く、若干期先はBrentが高く、期先はWTIが高い、といういびつな状態が継続している。
石油製品も下落。米統計での稼働率改善が端的に売り材料視された。RBOBは10日移動平均線のレジスタンスを前日、上回っていたが昨日の統計が発表されると大幅に水準を切り下げた。但し節目となる200㌣のサポートラインは下抜けせずに引けている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ヒーティングオイルも大幅な在庫の上昇を受けて統計発表後から水準を切り下げた。但し10日移動平均線のサポートラインは維持して引けている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期先を中心に上昇している。
本日の原油相場は堅調な推移を予想している。昨日の統計では米製油所の稼働率の大幅な改善が見られたが、石油製品在庫の水準は依然として低く、一方でOPECは9月会合まで増産をする見込みではない事から今度は原油の需給逼迫を材料として石油製品の需給がタイトな状況が続くと見られるためである。但し米株安を受けたリスク許容度の低下から投機資金が高値では売りを入れてくると予想されるため、上値は限られる事となろう。株式市場動向のインパクトは大きく、暫くは米金融市場動向に一喜一憂の展開が続く事になると考えている。
ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少(パイプライン事故や製油所の障害も含む)、OPECが増産について否定的な見解を示している事、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。
イールドカーブが全ゾーンバックになった事から投機資金が投資し易い環境にあるものの、依然として米国株式の動向が不安定であり、センチメントの悪化を通じてエネルギー市場にマイナスのインパクトをもたらす可能性が高い状況にあることは常に念頭においておくべきである(結局は新規材料がなければワイドなレンジでのもみ合いにならざるを得ない)。
WTIはCushing在庫の減少を受けて全ゾーンバックが復活しており、ようやくWTIが「原油の需給の状態を考える」上で有効な指標になってきたといえる。以前から提唱していたWTI/Brentのネガティブスプレッドの解消は、期近のみ解消される事となった(この事は上述しているように、イールドカーブの形状の変化の影響もあって原油市場に投機資金が流入しやすい環境になっていることと無縁ではない)。しかしながら北海油田からの生産減少と、著しいユーロ高の影響もあって完全なネガティブスプレッドの解消にはもう少し時間がかかると考えている。
もう少し細かくファンダメンタルズを見ると、短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年平均水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いているといえる。また、ここ暫く横這っていた原油のFSCは、昨日の著しい稼働率の改善によりとうとう過去5年の最高水準を下回るに至った。産油国からの生産が停滞している事もあり、このFSCの低下は当コラムで予想したとおりである。つまり稼働率が改善したといっても、ピークシーズン入りしている石油製品の需要を満たすだけの生産をしつつ在庫をつみます事が難しい事を示唆している。尚、IEAの月報では需要見通しが増加し、Non-OPEC生産の増加量を上回っており、Q207の在庫積み増しもやはり十分に行われていないことが確認された(FSCも変わらず)。こうした在庫水準の低さは以前から指摘している通り有事へのバッファが少ないことを意味し、同時にアップサイドへのセンシティビティが高いことを意味する。ガソリンのFSCは21.1日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は22.0日)。尚、供給は急に途絶したり再開したりするものであるが、需要は税制変更等の特殊な事情がなければ、急速に減少することはない。
供給サイドに関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、決して安泰とはいえない。OPECは9月総会まで増産の意向はなく、夏場のピークシーズンは冷夏とならない限り、供給が不足する状況が続く事となろう。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
(ひとりごと)
皆さん、知ってました?
今日はパンツの日らしいです。
恐らく、日本中のコメント書いている人の3人に2人ぐらいがこのネタを書いていることと思います。
パンツ。
パの方にアクセントがくると下着で、アクセントがないとズボンの事をさすのが一般的みたいだ。
いつからそうなったんだろうか?
私的にはパンツといえばパンツで下着の方しか思いつかない。
なんで、ズボンって言っちゃダメなんだろうか?
それはさておき。
最近、我が子も首がすわったので、カミさんが洋服で遊ぶようになった
どのようにするか、というと、上からかぶせて着せる服の場合
オムツを替えるときに完全に服を脱がせず
頭に留めたままにして
「パンツマン状態」
にして眺め、楽しむというもの。
まぁ、確かに可愛いんですけどね。
今からあんまりそういう英才教育をしちゃぁいけない、と思うんですよね。
というのも。
小学校から中学校の頃、必ず林間学校とかでやる奴いましたよね、パンツマン。
(女の人はやらないだろうけど)。
未だに思い出すんだが、中学の頃の学年全体の合宿で女神湖に泊まっていたとき
私の友人がパンツを被って、「パンツマン登場!」といって各部屋を巡っていたときのこと
(因みに下はちゃんと穿いていましたが)
当然、当直の先生が見回りに来るわけですよ。騒がしいから。
普通、「静かにしろ」とか「もう寝ろ」とか
言うじゃないですか。
そしたらですね、その先生、こういったんですよ
先生「パンツマンはどこだ!?」
生徒「え?パンツマンですか?」
先生「パンツマンを出せ!!」
生徒「パンツマンは、どこかに行ってしまいました...」
パンツマン狩り?
ということもあって、私はわが子が将来パンツマンとして先生に狩られることが、今最大の心配事である。
因みにパンツマンは私の中学以来の親友である。
今は、すごくまじめに働いていますけど。
パンツいまだに被ったりしてないだろうな?
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統計速報(8月1日分)
昨日の米在庫統計は今まで懸念されていた製油所の稼働率回復の影響で製品価格が素直に下落すると見られることから、製品手動でベアな統計であった。但し、FSCベースで見た場合の製品在庫は依然として低く、足元の小売価格下落の影響で、株安等のマイナス材料はあるものの消費は下支えされると見られることから、中期的にはやはり価格は上昇すると見ておくべきであろう。今後は稼働率が更に回復してきた場合には、9月のOPEC総会前までの原油供給がどうなるのかがポイントになってくると考えている(大元の供給の問題)。では個別に少し詳しく見てみよう。
原油は、稼働率が市場予想を大きく上回って改善したことや輸入の減少等により、▲6.5MBと市場予想を大きく上回る在庫減少となった。今回の統計で特にコメントすべきは稼働率の回復であり、障害やメンテナンスの影響で稼働率が低下したP2を除いて全ての地区で稼動率が上昇、漸く過去5年平均を上回る水準まで稼働率が改善したことが今回の統計の全てといっても言い過ぎではあるまい。この在庫減少によりFSCは21.1日と先週から0.9日悪化、とうとう過去最大水準である21.4日を下回った。産油国に足元増産の意向はなく、稼動率の改善が続けば深刻な原油不足が発生する可能性がある状態になりつつあると考えておくべきであろう。イールドカーブの形状に大きな影響を与えると考えられるCushing在庫は20.7MB(▲492KB)と11週連続で減少しており、WTIのバック形状維持に貢献している。以前、このコラムで指摘したが、Cushing在庫の減少はWTIとBrentのネガティブスプレッド解消のための必要条件であるが、今の所期近と期先のWTIとBrentの価格不均衡は解消に至っている。
ガソリンは略市場予想通りの在庫増加となった。稼働率の改善はあったものの得率の低下したことや、価格下落の影響もあってP1の輸入が減少したことから供給サイドは前週比▲269KBDとなる一方、需要が略先週と横ばいであったため結局小幅な在庫増加に留まった。生産はP2,P3を除けば過去最高の水準で推移しており、ピークシーズンらしい生産状況となっている。過去最高レベルの生産が続くP1の輸入は、価格下落の影響もあって前週比大幅に減少している。需要は直近ベースで9.66MBD(前週比▲26KBD)、4週平均ベースで9.68MB(前週比+26KBD)となっており、4週平均ベースでは同じ時期の過去5年の最高水準を上回りつつ、略例年通りのペースで増加してきている。以上よりFSCは21.1日と引き続き過去5年の最低水準22.0日にも満たない。ガソリンの得率57.7%は同じ週の過去5年の最高レベルであり、更に得率を引き上げる事は困難であると見られることや、ガソリン輸入が不安定であることから、ガソリン在庫の増加のためには原油在庫を取り崩しながら稼働率を増加させて生産を増やすしかないといえ、やはり需給がタイトな状態が続く事になろう。但し短期的には問題視されていた製油所の稼動が回復してきていることから、更に上値を追うタイミングでは無いと考える。
ディスティレート在庫は予想を大幅に上回る在庫増加となった。稼働率の改善と得率の大幅な上昇から生産が前週比+194KBDとなったこと、輸入が+82KBDと大幅に増加したことから総供給量は前週比+276KBDと先週から増加基調を強めた。一方で需要の増加はあったが結果、在庫水準は+2.9MBの大幅増加となった。尚、4,110KBDという需要の水準は、同じ週の過去5年の最高レベルである4,151KBDを下回るレベルであるが、過去5年平均の3,805KBDは大きく上回っており、FSCも31.1日と前週比+0.5日と増加したものの5年平均の32.7日を下回っている状況が続いている。ガソリンと同様、稼働率の回復により暫くは上値をトライする地合いではないが、原油供給が絞られている状況下、今度は9月のOPEC会合前までは原油由来で価格が下支えされると考える。
2007年8月 1日 (水)
じーさんパンツ-その②
(経済関連ニュース)
・6月独小売売上高指数 前月比+0.7%(5月改定 ▲2.5%(速報比▲0.7%))、市場予想+1.2%。
・7月独失業者数 前月比▲45千人の377万人(市場予想▲28千人)。
・7月独失業率 9.0%(前月9.1%)、市場予想9.0%。
・7月ユーロ圏景況感指数 111.0(前月111.7)、市場予想111.2。原油高やユーロ高等で。
・Q207米雇用コスト指数 前期比+0.9%(前期+0.8%)。市場予想+0.9%。
・6月米PCE価格指数 前月比+0.1%(前月改定+0.6%(速報比+0.1%))、市場予想+0.1%。コアは前月比+0.1%、前年比で+1.9%。
・6月米個人所得 前月比+0.4%(前月と変わらず)、市場予想+0.5%。
・7月米消費者信頼感指数 112.6(前月105.3(速報比+2.6))。市場予想105.0。
・7月シカゴ購買部協会指数 53.4(前月60.2)、市場予想58.4。
・6月米個人消費支出 前月比+0.1%(前月改定+0.6%(速報比+0.1%))、市場予想+0.1%。
・6月米建設支出 前月比▲0.3%(前月改定+1.1%(速報比+0.2%))、市場予想+0.2%。
(ひとりごと)
ココログ、またバージョンアップのためのメンテナンスで今日、書き込みが出来ませんでした。
どんどん機能がアップしていくんですが
ブログが書き込めないときに限って、マーケットが荒れるんですよね。。。
さて。
この前、ちょっと出かけるにあたり久し振りにじーさんパンツを履いて出かけてみた
ところがですね、ふと考えたんですが
ジーンズに合わせて履く靴が無いんですよね。
ジーンズはいてたころって、何履いていたんだろうか?
ちっとも思い出せない。
スニーカーだっけ?
フツーのスウェードの靴とかだっけ?
一応両方持ってはいるんだけど、何だか両方ともしっくりこない。
なので
結局いつもはいているサンダルを履いてしまいました...
これでいいんでしたっけ?
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